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感動のクランクアップから一夜明け、中之条のロケのときに太陽に嫌われた「疾走する車の客観シーン」の撮影です。
え?クランクアップしたから撮影は終わりじゃないのかって? いやいや、これはよくあることなのですが、役者の出演シーンを全て撮り終わってクランクアップしたあと、小物類や天気が悪くて撮れなかった実景カットなどを最後に撮影して、全編撮影終了となるのです。 10日前に訪れたときはまだ小さかった中之条のトウモロコシの実が、この日は立派に成長して私たちを待っていました。思えばクランクインしたのが8月8日の夏真っ盛り。 うだるような暑さの中、流れる汗を拭きながら撮影に臨んだっけ。 あれから39日。 高さを増した青空、沿道のコスモス、もう聞こえないミンミンゼミの鳴き声。 2004年の夏を捧げた「ガラスの使徒」が、このカットで終了を迎えるのです。 映画は今までも数限りなく創られてきたし、これからも創られることでしょう。しかし、この39日間のロケに携わったスタッフがまた力を合わせて一つのものを創る機会はきっと2度と巡ってこない。明日からはまたそれぞれの場所で、映画に対する情熱を燃やし続けていくに違いありません。そして、撮影スタッフの想いをこめたフィルムは、次の行程に受け継がれまた新たな息吹を吹き込まれていくことでしょう。 はじまりがあれば、おわりがある。わかっていたつもりだったのに、いざそのときがくると、後悔にも似たさみしさがひろがってきます。こころにこの想い全てを焼き付けるように、運転席から見える風景に向かってシャッターを押しました。 金守珍監督は言います。 「撮影終了で、まだ半分なんだよ。これから編集や仕上げ作業が待っている」 そうか、おわりだけれどおわりじゃないんだ。映画館のスクリーンにかかり、観客のこころに伝わるまで。そして、こころに伝わった想いがまた何かを変えてゆくまで…。
by garasunotsukai
| 2004-10-06 15:37
| 現場日記
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